はじめに

理系の大学生ならばよく使うLaTeXですが、私も例に漏れずレポートから簡単なメモの作成まで普段からよくLaTeXを良く使用します。しかし、LaTeXの使い方や機能、コマンドを検索しても引っかかるのは、どこかの大学の研究室の文字化けしたホームページ(文字エンコードが正しく指定されていない)や、大昔に作られたままアップデートされていないものばかりです。LaTeXの場合、Wordなどと比べて検索しながら利用することが多いので、自分が使う際のメモ・チートシートのつもりで、「LaTeXのガイド」としてまとめてみました。

LaTeXとは

Wikipediaの記事によると、LaTeXは

レスリー・ランポートによって開発されたテキストベースの組版処理システムである。電子組版ソフトウェア TEX にマクロパッケージを組み込むことによって構築されており、単体の TEX に比べて、より手軽に組版を行うことができるようになっている。

と記述されています。

.texファイルに本文やコマンドで指定された\section{見出し}などを記述し、TeXの処理系を通すことによって最終的に綺麗にフォーマットされたPDFファイルが生成されます。1HTMLに<p>本文</p><h1>見出し</h1>を記述したときのブラウザとCSSファイルの役割をLaTeXの組版処理システムが担うと考えるとイメージしやすいでしょうか。

なぜWordよりLaTeXを使うのか

普段からLaTeXをよく使うのですが、なぜLaTeXのほうがいいか、自分の考える理由をまとめてみました。

  • セマンティックである。 Wordを使っていると多くの場合、見出しはフォントサイズやウェイトを変えることで表現します。すなわち、見出しが見出しであるのは、デザインによってのみ定義されます。しかし、LaTeXの場合は、見出しは\section{見出し}などの指定を行うことで指定します。デザインで文章構造を表すのではなく、文章構造はファイルで規定した上で、デザインは別のところで管理するというスタイルです。
  • 再現性がある。 Wordを使っていて、リストをネストしたり、インデントを調整したりすると後から同じように再現するのはかなり面倒です。LaTeXの場合は、ソースコードで構造が指定されているので、あとから同様のファイルを作るのは簡単です。
  • デザインの自由度が低い。 LaTeXでは、デザインは別のスタイルファイルで指定されています。一見これはデメリットのようにも思えますが、LaTeXを使用することでフォントや見出しのデザインの指定ではなく、文章の執筆に集中することができます。
  • テキストベースである。 ターミナルからの操作も、他のスクリプトと連携させることも、LaTeXならばソースファイルはテキストベースなので簡単です。

デザインに凝った少ないページ数のファイルを作るなどはWordのほうが向いていると思いますが、主なコンテンツがテキストの場合で、ある程度の長さがある文書ではLaTeXのほうが便利だと思います。

種類

TeXファイルを実際にPDFファイルに変換する処理を担うTeXの処理系には、いくつかの種類・派生があります。詳しくはこちらの記事がわかりやすいですが、upTeX、LuaTeXなど複数のバージョンがあります。そのなかで、私はPDFへの書き出しができかつ将来性がありそうなLuaTeXを使っています。今後の記事はLuaTeXの使用を前提に書きますが、多くの操作は他の種類にも共通すると思います。

前置きが長くなってしまいましたが、次回以降実際にLaTeXを使っていきます。


  1. TeXの処理システムによってはPDFを直接生成するのではなく、DVIファイルが一度生成されてからPDFに変換する必要のあるものもあります。 [return]